心の苦しみとのつきあい方

よく、『ストレスはたまりませんか?』と聞かれることがあります。

私も人間ですから、いろいろな仕事をさせていただいている中では、緊張することもありますし、人と話していて疲れることもあります。

昔はセミナーなどで、上手く話せなくて落ち込んだこともありました.

では、そんな時、どうやってマイナス思考と付き合っているかというと、私の場合ですが、問題を整理することから始めます。

紙に、自分が悩んでいる内容とか、出来事について書き出してみるんです。

 

まず、起きたことを考えて眠れないとか、自分が嫌になったとか 『自分は今、どんな状態になっているか』

次に、 『その原因は何か』

次に、『その背景には何があったのか』

そして、『ではこれから、どんな対策をしたら良いか』です。

 

こうして自分の手で物を書くことで、自分に起こった出来事を少しでも客観的に見られるようになります。

一緒で悩みを断ち切るような即効性はないと思いますが、書き続けることで少しずつ問題が明らかになっていくんです。

また、深刻な悩みの原因が、自分でも驚くくらい小さなことだと気づくかもしれませんね。

苦しみの原因を分析して、解決の方法を知って行うこと。

これは仏教的にも理に適った方法なんです。

 

お釈迦様の説法のあり方を『応病与薬(おうびょうよやく)』と言います!

お釈迦様は長い一生の中で様々な場所に行かれましたが、そのつど悩める人と向き合い、その人が持つ煩悩という病の症状に合わせて、説法という形でしかるべき薬を与えられました。

そのため、お釈迦様はお医者さんの王、『医王』とも呼ばれているんです。

私たち人間はお釈迦様のように、万能ではありません。

自分の煩悩について認識して、適切な方法で向き合い、解決策を探すことは何とかできるのではないでしょうか。

『薬は細菌を殺したり症状を和らげたりする補助にすぎず、患者さんの身体を治すのは本人の力だ』 と、聞いたことがあります。

同じように、説法という薬も人生の問題に解決する直接的な答えにはなりません。

でも、自分に気づきを与えて問題を解決するヒントにはなると思います。

あなたの中に苦しい何かがあるのなら、一度、紙に書き出して苦しみの原因を明らかにしてみてください。

 

感謝