今いる場所に感謝を

最近よく、『精神的な居場所がほしい』 という声を耳にします。

この言葉は、『誰かに必要とされたい、その実感を持ちたい』 という思いから発せられて、切実な願いではないでしょうか。

つまりこれは、『どこにいても、ここにはいないような気がする』 ということです。

そんな気分の時は、お寺に参拝してみてはいかがでしょうか?

初めてのお寺には入りにくいかもしれませんが、その時は本堂の扉が開いていることを確認して、敬いの心を持ってお寺にご参詣ください。

 

お寺は昔からその土地にあり、お葬式や行事だけじゃなく、様々な活動を通して長い間、地域の人たちの心を支えてきたものです。

そして、支える人たちの思いがなかったらお寺は続いていくことが全くできないのです。

仏様を心の拠りどころとして生きてきた人たちが、お寺を活かしてきたのです。

時代が流れても、そのあり方は基本的には変わりません。

お寺と同じく、私たちもいろいろな縁に包まれています。

孤独で寂しいと思うとき、居場所が無いと思うとき、それでもあなたを支えている働きがあることを、身近なお寺やご家庭のお仏壇からも感じ取ることができるかもしれません。

また、精神的な居場所を作るためにも、今いる肉体的な居場所を大切にしましょう。

そのためにも、一度お寺に足を運んでみてください。

お寺は本来、居心地が良いところです。 朝の本堂は静かで、外から差し込む自然な光があって、掃除も行き届いています。

ただ、お寺は勝手にきれいになるわけではありません。

そこには必ず人の手があり、仏様がいらっしゃる場を大切にしようとする人の気持ちが込められています。

昔から、『お寺に来た人は、お土産を持ち帰ってほしい』 と言われています。

お寺で聞くお経やお説法だけじゃなく、お寺の雰囲気や良い香り、親切な対応など何か一つは心に残るものがあれば、ご自身の中に持ち帰って、活かすようにしてみてください。

そうすることで、今いる場所を大切にすることができると思います。

今いる場所を大切にすることができたら、そこにいる自分自身も大切にすることができるようになりますよ。

 

感謝