乱れた心の整え方

よく仏教では、心を湖の水面に例えることがあります。

湖は普段は静かで、夜になると鏡のように月を映し出しますよね!

でも、一度風が吹けば水面は波立ち、その美しい月も乱れて消えてしまいます。

この例えが意味するのは、心はほんの小さなことで乱れ、穏やかな状態を保つのがとても難しいということなんです。

私たちは心が乱れたとき、気持ちを意識的にコントロールしようとしますが、でもそれは非常に難しいことです!

坐禅をしたことがある人ならわかると思いますが、何も考えないようにしようと思った途端、心は私たちの命令を無視してあちこちへ さまよい出していきます。

では、この乱れた水面のような心を落ち着けるためには、どうしたらいいか?

実は、心を落ち着けようと何かするのは、逆効果なんです。

 

手を入れたら波立つし、風を止めることはできません。

一度広がった波紋は、時間を逆戻りさせないと消えることはありません。

どうにかしようと、あがけばあがくほど、それが更なる乱れの原因を作り出すことになるのです。

 

乱れたものが落ち着くのに必要なことは、2つあります。

一つは落ち着くのに必要なだけの時間を、たっぷりかけること。 そして、それ以上乱れの原因を作らないようにすることです。

大切なのは、時間をかけること。

心は常に変化し続けるものですから、今どんなに乱れていたとしても、いつかは必ず落ち着きを取り戻します。

苦しくてなかなか耐えるのも難しいと思いますが、永遠にその状態が続くわけではありません。

だから、落ち着きを取り戻すための時間を、心に少しだけ与えてほしいんです。

 

二つ目に大切なのは、心を無理にコントロールしようとしないことです。

私たちの心は、とてもわがままで、騒ぐのが大好きです。

少しでも興味のあるものがあれば、駆けていって大騒ぎします。

それを力ずくで止めようとするものがあれば、思いきり反発します。

だから、乱れの原因を増やさないように心がけてみてください。

騒ぎの種が無くなれば、徐々に心も落ち着くしかなくなっていきますよ!

 

感謝